本記事は 2026-06-09 時点の調査です。対象は Google I/O 2026(2026-05-19 発表)の Google Antigravity 2.0 です。一次情報は公式ドキュメント(antigravity.google/docs)と Antigravity SDK Python(google-antigravity/antigravity-sdk-python)を中心に参照しています。
概要
Google Antigravity 2.0 は、2026年5月19日(Google I/O 2026)に発表された agent-first development platform です。
Antigravity 1.0(2025年11月公開)は、VS Code を基盤とした AI 搭載 IDE として登場しました。エディタに AI 補完とインラインコマンドを統合した、単一タスク実行型の製品です。
2.0 では設計思想が転換しました。IDE 単体から、standalone desktop app + CLI + SDK の三層プラットフォームへ進化しました。複数エージェントの並列オーケストレーション・非同期タスク管理・スケジュール実行を主軸に据えます。エージェントが editor / terminal / browser を横断して自律動作する前提の設計です。
全サーフェスは共有 agent harness で駆動します。デフォルトモデルは Gemini 3.5 Flash です。速度とコンテキスト効率を重視した選択です。
2.0 の設計には一貫した狙いがあります。エージェントの自律性が増すほど、人間にとっては「何をしたかを検証できること」が要になります。Antigravity はこの検証性(trust)を Artifacts(Task List・Implementation Plan・Walkthrough 等)で担保し、常時監視せずに並列エージェントを走らせる前提を成立させます。本記事では、この狙いを軸に構造・データ・運用を読み解きます。
1.0 から 2.0 への差分
| 項目 | Antigravity 1.0 | Antigravity 2.0 |
|---|---|---|
| 製品形態 | VS Code 派生 AI IDE(デスクトップ単体) | Desktop app + CLI + SDK の三層プラットフォーム |
| エージェント実行 | 単一・逐次 | 並列 subagent / 非同期タスク / スケジュール実行 |
| オーケストレーション UI | なし | Agent Manager(ノーコード視点のオーケストレーション) |
| CLI | なし(Gemini CLI が別途存在) | Antigravity CLI(Gemini CLI を置き換え。Go 製) |
| SDK | なし | Python SDK(google.antigravity) |
| デフォルトモデル | Gemini 3 Pro | Gemini 3.5 Flash |
| 対応モデル | Gemini 系 | Gemini / Claude / OpenAI(マルチモデル) |
| エンタープライズ | なし | Managed Agents(隔離 Linux 環境) |
| モバイル連携 | なし | AI Studio Android アプリ経由でのプロジェクト転送 |
関連技術・競合との比較
| 製品 | 製品形態 | エージェント実行 | 対応モデル | オーケストレーション | 料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| Google Antigravity 2.0 | Desktop app + CLI + SDK | 並列 subagent / 非同期 / スケジュール | Gemini 3.5 Flash(デフォルト)/ Claude / OpenAI | Agent Manager(GUI)+ SDK | Free / AI Pro $20/月 / AI Ultra $100/月(5x)/ $200/月(20x) |
| Claude Code | CLI(ターミナル起動) | 逐次(subagent は tool call 経由) | Claude 系(Anthropic 専用) | スクリプト・hooks で拡張 | Claude Pro/Max サブスクリプションで利用可。Console/API PAYG も別途 |
| Cursor | VS Code 派生 IDE | 逐次(Composer Agent) | GPT / Claude / Gemini 等(選択制) | なし | Hobby 無料 / Pro $20/月 / Ultra $200/月 / Teams $40/user・月 |
| GitHub Copilot(Coding Agent) | ブラウザ・IDE(GitHub 統合) | 逐次(タスクベース) | GitHub 管理モデル | PR/Issue 連動 | Copilot プランに包含 |
| OpenAI Codex(ChatGPT) | Web / API / CLI | 逐次(Responses API) | GPT 系(OpenAI 専用) | なし | 対象 ChatGPT プランに含まれる(Plus $20/月 等。上限はプラン別) |
競合各社の料金・プラン名は変動が速いため、最新は各公式の料金ページで確認してください。
技術的な比較ポイントは以下のとおりです。
- 並列 subagent: Antigravity 2.0 は単一セッション内で複数 subagent を並列起動します。Claude Code・Cursor・GitHub Copilot は逐次実行が基本です。
- モデル非依存性: Antigravity 2.0 は Gemini / Claude / OpenAI を切り替えます。Claude Code は Claude 専用、OpenAI Codex は GPT 専用です。
- SDK による拡張: Antigravity 2.0 は Python SDK でエージェントをプログラム制御します。他製品は IDE 拡張や API 経由が中心です。
- 料金モデル: 個人向け Free プランを持ちつつ、AI Ultra で高レート制限を提供します($100/月=5x、$200/月=20x)。Claude Code の API 従量課金や Cursor の定額制と性格が異なります。
特徴
Agent Manager
- ノーコードのオーケストレーションビューです。タスク起動・監視・artifacts 確認に特化したミニマル UI です。
- Editor(フル IDE)と独立したサーフェスとして提供されます。
並列 subagent
- 単一セッション内で複数の subagent を非同期に起動します。
- 複雑なタスクを並列委譲して開発速度を高めます。
非同期タスク管理
- エージェントが長時間タスクを非同期実行します。
- ユーザーは常時監視せずに artifacts で進捗を確認します。
スケジュールタスク
- バックグラウンドで自動実行するタスクをスケジュールします。
- カスタム subagent ワークフローのスケジューリングにも対応します。
Artifacts
- エージェントの出力を可視化する仕組みです。
- markdown / diff view / アーキテクチャ図 / 画像 / ブラウザ録画 / コード差分を含みます。
- 長時間の自律動作中に非同期で作業内容を伝達し、常時監視の必要を減らします。
音声転写
- デスクトップアプリで音声コマンドをテキストに変換してエージェントへ渡します。
- AI Studio Android アプリと連携し、モバイルで音声・テキストからプロトタイプを作成します。
CLI(Antigravity CLI)
- Gemini CLI を置き換える新しいコマンドラインツールです。Go 製で高速です。バイナリ名は
agyです。 - ターミナルから離れずエージェントを起動します。
- Plugin 構造(
~/.gemini/antigravity-cli/plugins/)で skills / agents / rules / MCP サーバーを拡張します。 - hooks(PreToolUse / PostToolUse / PreInvocation)でエージェントの実行ループに介入します。
SDK(google.antigravity)
- Python SDK でエージェントをプログラム制御します。
LocalAgentConfigでモデル・ツール・capabilities を設定します。- subagent 有効化・画像生成・会話の永続化と再開に対応します。
Managed Agents(エンタープライズ)
- Gemini API が提供する隔離 Linux 環境でエージェントを実行します。
- 状態をターン間で保持する永続環境を備えます。
Google エコシステム統合
- Google AI Studio・Firebase・Android との統合を標準提供します。
- AI Studio プロジェクトを、コンテキスト保持のままローカルの Antigravity へエクスポートします。
マルチモデル対応
- デフォルトモデルは Gemini 3.5 Flash です。速度とコスト効率を重視します。
- Claude 系と OpenAI 系のモデルも選択します。
構造
システムコンテキスト図
アクター
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| Developer | エージェントを起動し成果物を確認する開発者 |
| SRE | エージェント実行を監視・操作するサイトリライアビリティエンジニア |
| Enterprise Admin | ガバナンス・デプロイポリシーを管理するエンタープライズ管理者 |
外部システム
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| Gemini API | デフォルトモデル Gemini 3.5 Flash と Gemini 3 Pro を提供する推論エンドポイント |
| External Models - Claude - OpenAI | マルチモデル対応のための外部 LLM エンドポイント |
| Google AI Studio | プロジェクトのプロトタイプ化・import/export に使うビジュアル環境 |
| Android | ネイティブモバイル向け agent loop を実行するプラットフォーム |
| Firebase | コンテキストスイッチなしにアプリをデプロイする Google バックエンド |
| Google Cloud | エンタープライズ向けクラウドインフラ・KMS・BigQuery を提供 |
| MCP Servers | Model Context Protocol 経由でツールを公開する外部サーバー群 |
| Chrome Browser | エージェントが操作する GUI ブラウザサーフェス |
| Local Workspace | エージェントが読み書きするローカルファイルシステム・コードベース |
コンテナ図
Antigravity 2.0 内部コンテナ
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| Agent Manager | タスク起動・並列サブエージェント監視・成果物確認を担う no-code オーケストレーション UI |
| Editor | 単一ワークスペース向けのフル機能 AI IDE サーフェス |
| Browser Surface | エージェントが Chrome を操作するための IDE 外ブラウザ capability |
| Antigravity CLI | ターミナル・CI 向けのヘッドレス agent オーケストレーション Go バイナリ |
| Antigravity SDK | Python で agent harness にプログラムアクセスするライブラリ |
| Shared Agent Harness | 全サーフェスが共有する統一エージェントループ。Gemini 3.5 Flash 駆動 |
| Managed Agents 実行環境 | Gemini API 経由で起動される isolated Linux 環境。コード実行・永続化を担う |
コンポーネント図
Harness 中核コンポーネント
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| Model Router | Gemini 3.5 Flash をデフォルトとし、Claude/OpenAI へのルーティングを担う推論ディスパッチャー |
| Subagent Runner | 複雑タスクを並列化するためのサブエージェントを動的に生成・管理するオーケストレーター |
| Tool Runner | Python callable を登録・実行するインプロセスツールレジストリ。sync/async 両対応 |
| Artifact Generator | markdown/diff/画像/ブラウザ録画など成果物を生成・追跡するコンポーネント |
| Hooks Engine | PreToolUse/PostToolUse/PreInvocation 等のライフサイクルイベントをインターセプトするポリシーエンジン |
| Skills Loader | プラグインディレクトリからスキル定義・エージェント定義・ルールをロードするコンポーネント |
| MCP Client | MCP サーバーに接続しツールを公開するアダプター |
| Trigger Runner | タイマー・ファイル変更等の外部イベントを受信し、Conversation にメッセージを注入するランナー。スケジュールタスク・非同期タスクの起動経路を担う |
| Conversation | セッション履歴・ターン追跡・コンテキスト圧縮インデックスを保持する状態管理レイヤー |
| Connection Layer | ハーネスとの通信を抽象化するトランスポートアダプター |
SDK 3 層アーキテクチャ
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| Agent(Layer 1) | 設定・フック・ポリシー・ツール・MCP ブリッジのライフサイクルを管理するエントリーポイント |
| Conversation(Layer 2) | 履歴・ターン追跡・使用量を提供するステートフルセッション |
| Connection(Layer 3) | ワイヤープロトコル・バイナリプロセス管理・アイドル管理を担うトランスポート実装 |
データ
概念モデル
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| Project | 複数の Workspace を束ねる作業単位。セキュリティ・パーミッションを保持 |
| Workspace | 単一の作業ディレクトリ。Editor が対象とする |
| Conversation | 永続化されたセッション。conversation_id + save_dir で再開可能 |
| Step | エージェントの軌跡の 1 アクション |
| Task / Scheduled Task | 非同期・スケジュール実行の作業単位 |
| Trigger | Task を起動する外部イベント(cron / ファイル変更 等) |
| Artifact | エージェントが生成する成果物の総称(markdown ベース) |
| Task List | 進捗追跡用 artifact。action item を markdown リストで表現 |
| Walkthrough | 実装完了時に生成される変更要約 artifact |
| Implementation Plan | 計画モードで生成される技術設計 artifact |
| Diff | コード差分 artifact |
| Browser Recording | ブラウザ操作のスクリーンショット・録画 artifact |
| Image | 画像生成 artifact |
| Architecture Diagram | アーキテクチャ図 artifact |
| Agent | harness 駆動の AI 実行主体 |
| Subagent | enable_subagents=True で生成される並列委譲エージェント |
| Plugin | Skill / AgentDef / Rule / Hook / McpServer を束ねる配布単位 |
| Skill | SKILL.md を核とする再利用可能な手順書パッケージ |
| Agent Definition | CLI Plugin 内のサブエージェント定義 |
| Rule | エージェント行動を常時制約するガードレール |
| Hook | 実行ループの特定ポイントを傍受するスクリプト |
| MCP Server | Model Context Protocol サーバー設定 |
| ModelEntry | モデル名 + per-model API キー + 生成パラメータ |
| CapabilitiesConfig | ツール有効化・無効化・subagent フラグ等の能力設定 |
| GeminiConfig | API キー・Vertex 設定・モデル選択 |
| ToolCall | エージェントが発行するツール呼び出し |
| Builtin Tool | harness が提供する組み込みツール |
| App Data Dir | artifact / scratch / uploaded media の保存先ディレクトリ |
情報モデル
| 要素名 | 説明 |
|---|---|
| Project | フォルダ群・セキュリティ設定・MCP allowlist を持つ作業環境 |
| Workspace | Agent が操作するルートディレクトリパス |
| Agent | LocalAgentConfig から生成される実行主体。Conversation を保持し Subagent を spawn する |
| Subagent | Agent が並列委譲のために起動する子エージェント。name / task / status を持つ |
| LocalAgentConfig | SDK の Agent 設定エントリポイント。会話永続化・ストレージ・能力を包括 |
| GeminiConfig | API 認証・Vertex AI / Gemini Developer API 切替・モデル設定 |
| ModelConfig | デフォルトモデルと画像生成モデルのペア |
| ModelEntry | モデル名・per-model API キー・thinking_level 設定 |
| GenerationConfig | thinking_level(MINIMAL / LOW / MEDIUM / HIGH) |
| CapabilitiesConfig | enable_subagents / enabled_tools / disabled_tools / compaction_threshold |
| Conversation | history・turn 追跡・compaction 追跡を持つセッション管理オブジェクト |
| Step | エージェント軌跡の 1 ステップ。型・ソース・ステータス・tool_calls を持つ |
| UsageMetadata | prompt / cached / candidates / thoughts / total の各トークン数 |
| ToolCall | name(BuiltinTools enum or 任意文字列)+ args + canonical_path |
| ToolResult | ToolCall 対応の実行結果。result / error を持つ |
| Artifact | 生成物の総称。type が Task List / Walkthrough / Implementation Plan 等 |
| Skill | name + description(YAML frontmatter)+ 本文(指示・例・制約) |
| Plugin | plugin.json を必須マーカーとして持つ配布単位 |
| Hook | event(PreToolUse / PostToolUse / PreInvocation)+ matcher + command |
| McpStdioServer | stdio 接続の MCP サーバー。command + args + tool フィルタ |
| McpStreamableHttpServer | HTTP 接続の MCP サーバー。url + headers + timeout 設定 |
| Trigger | 外部イベント起動。interval / file_watch の種別を持つ |
| FileChange | ファイル変更イベント。kind(ADDED / MODIFIED / DELETED)+ path |
Step.type の取りうる値は user / model / tool_call / tool_result / error 等です。
補足: BuiltinTools 一覧
| enum | tool_name | 用途 |
|---|---|---|
| LIST_DIR | list_directory | ディレクトリ一覧 |
| SEARCH_DIR | search_directory | ディレクトリ内検索(grep) |
| FIND_FILE | find_file | ファイル名検索 |
| VIEW_FILE | view_file | ファイル内容参照 |
| CREATE_FILE | create_file | ファイル作成 |
| EDIT_FILE | edit_file | ファイル編集 |
| RUN_COMMAND | run_command | シェルコマンド実行 |
| ASK_QUESTION | ask_question | ユーザーへの質問 |
| START_SUBAGENT | start_subagent | サブエージェント起動 |
| GENERATE_IMAGE | generate_image | 画像生成・編集 |
| FINISH | finish | 会話終了・構造化出力返却 |
補足: Artifact ストレージパス
- デフォルトの app data ディレクトリ:
~/.gemini/antigravity/(SDK のDEFAULT_APP_DATA_DIR) - 配下の
brain/<conversation_id>/は、ハーネスが内部利用するサブディレクトリです(SDK 公開コードには明記されないため実装依存) - 上書き:
LocalAgentConfig(app_data_dir="/absolute/path")で変更(絶対パス必須)
構築方法
Desktop App の前提条件
| OS | 要件 |
|---|---|
| macOS | 12 (Monterey) 以降。Apple Silicon 推奨 |
| Windows | Windows 10 64bit 以降 |
| Linux | glibc 2.28 以降(Ubuntu 20 / Debian 10 / Fedora 36 / RHEL 8 等) |
追加要件は以下のとおりです。
- Chrome ブラウザ(ブラウザ自動化機能を使う場合)
- Google アカウント(Google Workspace またはパーソナル Gmail)
Desktop App のインストール
https://antigravity.google/downloadから OS 版インストーラーをダウンロードします。- インストーラーを実行し、Google アカウントで認証します。
- セキュリティとデータ利用ポリシーに同意します。
- テーマを選択し、オプションの Google Developer Tools プラグインを確認します。
- Finish をクリックしてセットアップを完了します。
インストール後、Antigravity アプリと Antigravity IDE が独立した Dock アイコンとして表示されます。
CLI のインストール
Antigravity CLI は Go 製バイナリです。バイナリ名は agy です。Gemini CLI からの移行先として位置づけられています。
インストールスクリプトを実行します。
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash
バイナリは Unix 系で ~/.local/bin/agy、Windows で %LOCALAPPDATA% 配下の agy ディレクトリに配置されます。バージョン確認は以下のとおりです。
agy --version
SDK のインストール(Python: google.antigravity)
SDK は PyPI 公開の platform-specific wheel に実行バイナリを同梱します。
pip install google-antigravity
API キーを環境変数に設定します。
export GEMINI_API_KEY="your_api_key_here"
API キーは Google AI Studio(https://aistudio.google.com)から取得します。
python -c "import google.antigravity; print(google.antigravity.__version__)"
利用方法
必須パラメータ一覧
| パラメータ | 対象 | 必須 | 説明 |
|---|---|---|---|
GEMINI_API_KEY |
SDK | 必須 | Gemini API キー。環境変数または api_key= で指定 |
app_data_dir |
SDK | 任意 | artifacts / scratch files の保存先。絶対パス必須(相対パス・~ 展開は validation error) |
save_dir |
SDK | 任意 | 会話状態の保存ディレクトリ。conversation_id と組み合わせて再開に使う |
conversation_id |
SDK | 任意 | 再開する会話の ID。agent.conversation_id で取得した値を渡す |
Desktop: Project 作成
- プロジェクト用ディレクトリを作成します。
mkdir -p $HOME/agy2-projects/my-first-project
- Antigravity を起動し、Project → New Project → Add Folder でディレクトリを選択します。
- Create をクリックしてプロジェクトを作成します。
プロジェクト設定は、左ナビゲーションのプロジェクト名横の歯車アイコンから変更します。
Desktop: Start Conversation
チャット入力欄に質問や指示を入力して Enter を押すと、会話が開始されます。
グローバルルールは ~/.gemini/GEMINI.md に記述します。ワークスペース固有ルールは .agents/rules/ 以下に配置します。
Desktop: Plan モードと Fast モード
| モード | 用途 |
|---|---|
| Planning Mode | 深いリサーチ・複雑なタスク・共同作業。実装計画(artifacts)を生成してから実行 |
| Fast Mode | 単純なタスクを素早く完了。実装計画なしで即実行 |
会話開始前にモードをドロップダウンで切り替えます。
Desktop: @filename でファイル添付
チャット入力欄で @ に続けてファイル名を入力すると、ファイルをコンテキストに添付します。
@src/main.py このコードをレビューして
Desktop: Agent Manager で artifacts 確認・承認
- Agent Manager で、実行中タスクの Task List・Walkthrough・差分・スクリーンショット等の artifacts をリアルタイムで確認します。
- Tool 実行のセキュリティゲートが有効な場合、承認ダイアログが表示されます。
- MCP サーバーの追加は Settings → Customizations → Add MCP+ から行います。
CLI: 基本コマンド
# チャット起動(インタラクティブ)
agy
# ワンショット実行
agy "コードをレビューして"
# バージョン確認
agy --version
CLI: Plugin 構造
プラグインは ~/.gemini/antigravity-cli/plugins/<name>/ 以下に配置します。
~/.gemini/antigravity-cli/
├── plugins/
│ └── <plugin_name>/
│ ├── plugin.json # 必須: プラグインマーカーファイル
│ ├── mcp_config.json # 任意: MCP サーバー定義
│ ├── hooks.json # 任意: イベントフック定義
│ ├── skills/ # 任意: スキル
│ ├── agents/ # 任意: サブエージェント定義
│ └── rules/ # 任意: ルール
└── import_manifest.json # トラッキングマニフェスト
hooks.json の例は以下のとおりです。
{
"my-linter-hook": {
"PostToolUse": [
{
"matcher": "run_command",
"hooks": [
{ "type": "command", "command": "./scripts/lint.sh", "timeout": 10 }
]
}
]
},
"reminder": {
"PreInvocation": [
{ "type": "command", "command": "./scripts/reminder.sh" }
]
}
}
主要なフックイベントは PreToolUse / PostToolUse / PreInvocation です。このほかのイベント(PostInvocation / Stop 等)も提供されます。最新の一覧は公式 hooks ドキュメントを確認してください。
SDK: LocalAgentConfig 最小例
import asyncio
from google.antigravity import Agent, LocalAgentConfig
async def main():
config = LocalAgentConfig()
async with Agent(config) as agent:
response = await agent.chat("量子コンピューティングを一文で説明して。")
print(await response.text())
asyncio.run(main())
GEMINI_API_KEY 環境変数が設定されていれば、api_key= の明示は不要です。
以降のコード例は要点を示す抜粋です。async with / await を含むため、上記の async def main() のように非同期関数で包み、asyncio.run(main()) で実行してください。
SDK: model 指定
from google.antigravity import Agent, LocalAgentConfig
config = LocalAgentConfig(model="gemini-3.5-flash")
SDK: custom tool 登録
関数の docstring と型ヒントで、エージェントがツールの用途を判断します。
from google.antigravity import Agent, LocalAgentConfig
def get_current_temperature(location: str) -> str:
"""Gets the current temperature for a given location.
Args:
location: The city and state, e.g. "San Francisco, CA".
"""
return f"The temperature in {location} is 72°F."
config = LocalAgentConfig(tools=[get_current_temperature])
async with Agent(config) as agent:
response = await agent.chat("Mountain View の気温は?")
async for chunk in response:
print(chunk, end="", flush=True)
SDK: subagent 有効化
enable_subagents は CapabilitiesConfig のデフォルトで True です。明示的に制御する場合は以下のように指定します。
from google.antigravity import Agent, LocalAgentConfig, types
config = LocalAgentConfig(
capabilities=types.CapabilitiesConfig(enable_subagents=True)
)
async with Agent(config) as agent:
response = await agent.chat("サブエージェントを使って自然についての短い詩を書いて。")
print(await response.text())
SDK: 会話の永続化と再開
同じ save_dir と conversation_id を渡すと、前回の会話を再開します。
import tempfile
from google.antigravity import Agent, LocalAgentConfig
save_dir = tempfile.mkdtemp()
# セッション 1: 会話を保存
config1 = LocalAgentConfig(save_dir=save_dir)
async with Agent(config1) as agent:
await agent.chat("覚えておいて: 私の好きな色は青です。")
conversation_id = agent.conversation_id
# セッション 2: 会話を再開
config2 = LocalAgentConfig(conversation_id=conversation_id, save_dir=save_dir)
async with Agent(config2) as agent:
response = await agent.chat("私の好きな色は何ですか?")
print(await response.text())
SDK: app_data_dir 指定
artifacts・scratch files・アップロードメディアのデフォルト保存先は ~/.gemini/antigravity/ です。変更する場合は絶対パスを指定します。
config = LocalAgentConfig(app_data_dir="/absolute/path/to/custom/storage")
相対パスや ~ を含むパスは validation error になります。
SDK: MCP サーバー接続
from google.antigravity import Agent, LocalAgentConfig
from google.antigravity.types import McpStdioServer
config = LocalAgentConfig(
mcp_servers=[McpStdioServer(command="npx", args=["my-mcp-server"])],
)
async with Agent(config) as agent:
response = await agent.chat("MCP ツールを使って助けて。")
運用
複数エージェントの並列実行監視
Agent Manager は、複数ワークスペースを横断して稼働中エージェントを監視するオーケストレーション UI です。
- Agent Manager は全ワークスペースのエージェント状態を一覧表示します。
- Inbox はエージェントからの非同期通知を集約します。承認待ちのツール実行、提案された変更、完了報告がここに届きます。
- 同一ワークスペースに複数エージェントを配置すると、文脈汚染が起きます。1 ワークスペース = 1 エージェントが原則です。
- エージェントは Artifacts を通じて進捗を伝えます。常時監視は不要です。
Settings > Advanced Settings で実行境界を設定します。
| 設定項目 | 選択肢 | 効果 |
|---|---|---|
| Terminal Command Auto Execution | Always Proceed | すべてのシェルコマンドを自動承認 |
| Terminal Command Auto Execution | Request Review | コマンドごとに Inbox で確認 |
| Artifact Review Policy | 任意 | エージェントが一時停止して確認を求めるタイミングを制御 |
| JavaScript Execution Policy | 任意 | ブラウザサブエージェントのスクリプト実行権限を制御 |
Artifacts への Google Docs スタイルのインラインコメントで、エージェントを再起動せずに軌道修正します。
Scheduled Tasks の管理
Scheduled Tasks は、エージェントを cron 的に自動実行する機能です。
/scheduleスラッシュコマンドで、1 回限りの将来実行または定期実行を登録します。- 自然言語でスケジュールを記述します(例: "every day at 9am")。
- タスクは冪等に設計します。スケジュールのずれによる二重実行を前提に作ります。
- Inbox にスケジュール実行の完了通知と Artifacts が届きます。
Async Task の状態確認
非同期タスクは、メインエージェントや UI をブロックせずにバックグラウンドで走ります。
- サブエージェントの進捗はステータス表示でリアルタイムに確認します。
- 1 つのサブエージェントが失敗しても、他のサブエージェントの完了済み作業はロールバックされません。
- 失敗時は計画段階に戻り、計画を詰めてから再実行します。
Artifacts レビュー・承認フロー
エージェントは作業フェーズごとに以下の Artifacts を生成します。
| Artifact 種別 | 生成タイミング | 内容 | 検証可能性(trust) |
|---|---|---|---|
| Task List | 実行前 | アクションアイテムの markdown リスト | 計画の全体像を一目で確認できる。実装との対応は別途確認する |
| Implementation Plan | 実行前 | 変更するファイルと手順の技術的設計書 | 実装前に方針をレビューできる。コメントで軌道修正する |
| Code Diff | 実行中 | 行単位の差分 | エージェントが生成するため、適用後の実ファイルとの乖離を確認する |
| Walkthrough | 実行後 | 変更の要約(スクリーンショット・録画を含むことあり) | 結果を素早く把握できる。録画は実行の証跡として確認する |
Artifacts は、エージェントが長時間自律動作する間に、人間が論理や成果を一目で検証できるよう設計されています。これにより常時監視の必要を減らします。
- Walkthrough に inline コメントを付けると、エージェントが修正を組み込みます。
- 承認は Inbox から個別に行います。
モデル切り替え
デフォルトは Gemini 3.5 Flash(速度・コストが最適化)です。
from google.antigravity import Agent, LocalAgentConfig
config = LocalAgentConfig(model="gemini-3.5-flash")
| モデル | 特性 |
|---|---|
| Gemini 3.5 Flash | デフォルト。速度・コストが最優先。並列エージェントに最適。SDK 既定値は gemini-3.5-flash |
| Gemini 3 Pro(high / low) | 高精度が必要なタスク向け |
| Claude Sonnet / Opus 系 | Claude 系タスクへの最適化 |
| GPT-OSS | OpenAI 系タスク向け |
モデルピッカーの表示名と SDK が受け付けるモデル文字列は、世代更新で変わります。確定値はデフォルトの gemini-3.5-flash のみ一次情報で確認済みです。その他の正確な ID とバージョンは、公式のモデルピッカー・最新ドキュメントで確認してください。
503 エラーや Pro モデル障害時は、Flash にフォールバックします。
CLI Hooks による自動 lint / safety gate
Hooks は ~/.gemini/antigravity-cli/plugins/<plugin>/hooks.json または .agents/hooks.json に定義します。
Hook スクリプトは JSON を stdin で受け取り、許可・拒否を表す構造化 JSON を stdout に返します。
| イベント | 発火タイミング |
|---|---|
| PreToolUse | ツール呼び出し前 |
| PostToolUse | ツール呼び出し後 |
| PreInvocation | エージェントセッション開始前 |
SDK エージェントの自前インフラホスト
SDK(pip install google-antigravity)を使うと、任意のインフラでエージェントをホストします。
LocalAgentConfigはローカル実行向けの設定です。書き込み系ツールの実行は、デフォルトの policies(コマンド実行前の確認等)でガードされます。- ベースの
AgentConfigは deny-by-default です。書き込み系ツール・MCP サーバーの有効化には、CapabilitiesConfigや policies の明示が必要です。 - AWS・GCP・オンプレを問わず任意のインフラで稼働します。
Enterprise 統合
Gemini Enterprise Agent Platform は、Google Cloud 上に Antigravity エージェントをデプロイする企業向け経路です。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| SSO | Google Workspace / Okta / Azure AD との連携 |
| 監査ログ | エージェントの全アクションを Cloud Audit Logs に記録 |
| VPC Service Controls | サービス境界でコードが外部に出ないよう制限 |
| BigQuery 連携 | 実行パフォーマンスの分析 |
| Cloud KMS | 認証情報の暗号化保管 |
| Google Cloud プロジェクト直結 | Android / Firebase / Workspace API とのネイティブ統合 |
エージェント定義(agents / skills)は、SDK とエンタープライズプラットフォームの両方で再利用できます。
ベストプラクティス
Tool Approval Gate と Safe Defaults
- 自動承認をオフにした状態から始めます。稼働が安定してから段階的に緩めます。
- Allow List と Deny List で特定コマンドを明示制御します(Settings > Advanced Settings)。
- エンタープライズ環境では
AgentConfig(deny-by-default)を起点にし、必要な権限だけを追加します。
Hooks による PreToolUse Safety-Check
git push --force などの破壊的オペレーションを hook でブロックします。
#!/bin/bash
# ./hooks/block-destructive-ops.sh
INPUT=$(cat)
COMMAND=$(echo "$INPUT" | python3 -c "import sys,json; d=json.load(sys.stdin); print(d.get('toolCall',{}).get('args',{}).get('CommandLine',''))")
BLOCKED_PATTERNS=("rm -rf" "git push --force" "DROP TABLE" "kubectl delete")
for pattern in "${BLOCKED_PATTERNS[@]}"; do
if echo "$COMMAND" | grep -q "$pattern"; then
echo '{"decision":"deny"}'
exit 0
fi
done
echo '{"decision":"allow"}'
- hook スクリプトは JSON stdin を前提に実装します(Gemini CLI の exit code 方式とは異なります)。
enabled: falseで hook を一時無効化できます。
並列サブエージェントのタスク分割
- 1 エージェント = 1 ドメイン にします(例: Frontend / Backend / DevOps)。
- 同一ファイルを複数エージェントが同時編集すると競合します。ファイルオーナーシップを事前に割り当てます。
- 並列エージェントはクォータを並列で消費します。使用量をモニタリングします。
- アイドル状態のエージェントは速やかにクローズします。
Skills / Rules によるコンテキスト管理
- 再利用可能なプロンプトは skill として保存します。
- プロジェクト固有のルールは
.agents/rules/に配置します。 - skill を共有スコープに置くと、全 Antigravity 製品で共有されます。
MCP Server 統合
設定ファイルは以下に配置します。
| スコープ | パス |
|---|---|
| グローバル | ~/.gemini/antigravity-cli/mcp_config.json |
| ワークスペースローカル | .agents/mcp_config.json |
| プラグイン同梱 | ~/.gemini/antigravity-cli/plugins/<plugin>/mcp_config.json |
- ローカルサーバーは
commandフィールドを使います。 - リモートサーバーは URL フィールドを使います。
- JSON ファイルにインラインコメントは記述できません。
料金プランとレート制限の使い分け
| プラン | 月額 | 使用量上限 | 適用場面 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | ベースライン(プレビュー期間は寛大) | 個人・評価用 |
| AI Pro | $20 | ベースライン(通常枠) | 個人開発・小規模チーム |
| AI Ultra(新) | $100 | Pro の 5 倍 | 並列エージェントを多用するチーム |
| AI Ultra(既存上位枠) | $200 | Pro の 20 倍 | 大規模自動化・エンタープライズ |
2.0 で新設された $100 の AI Ultra は、Pro の 5 倍のレート制限です。既存の $200 AI Ultra は 20 倍枠です。「AI Ultra Premium」という独立した正式プラン名は、公式には登場しません。
- 並列サブエージェントはクォータを並列消費します。使用量を定期確認します。
- 高価なモデル(Gemini 3 Pro)はクォータ消費が大きいため、Flash で先にプロトタイプします。
Verification 重視
- 自動承認の前に、Walkthrough Artifact で変更内容を確認します。
- 重要な変更は、Implementation Plan の段階でコメントして軌道修正します。
トラブルシューティング
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| Gemini CLI が 2026-06-18 以降に動作しない | Gemini CLI の提供停止(AI Pro / AI Ultra および無料の Gemini Code Assist for individuals 向け)。Antigravity CLI へ移行 | Antigravity CLI(agy)へ移行する。Agent Skills / Hooks / Subagents / Extensions(Antigravity plugins)は引き継がれる。Gemini Code Assist Standard / Enterprise ライセンス保有者と Google Cloud 経由の利用は継続可能 |
app_data_dir 設定で validation error |
相対パスまたは ~ を使用している |
絶対パスを明示する(例: /absolute/path/to/storage) |
| サブエージェントが動かない | enable_subagents を明示的に False にしている、または disabled_tools に START_SUBAGENT が含まれる(enable_subagents のデフォルトは True) |
CapabilitiesConfig の enable_subagents と disabled_tools を確認する |
| 429 Rate Limit に到達 | リクエスト頻度がプランの上限を超過 | クォータ残量を確認し Gemini Flash に切り替える。即時リトライは避ける |
| 503 Service Unavailable | Google サーバー側の過負荷・メンテナンス | 待機してから 1 回リトライする。継続する場合は Flash に切り替える |
| クォータ枯渇 | リクエスト過多 | AI Ultra($100/月、5 倍)または AI Ultra($200/月、20 倍)へアップグレードを検討する |
| MCP サーバーに接続できない | 設定キーの誤り、JSON へのコメント記述 | URL フィールドを正しく設定する。JSON からコメントを削除する |
| Hooks が動かない | hooks.json の場所違い、ロード漏れ | ロード済み hooks を確認する。配置パスを確認する |
| Gemini CLI から移行後に hook が効かない | 旧イベント名・旧ツール名のまま | イベント名を PreToolUse、ツール名を run_command に変更する。入出力を exit code から JSON stdin/stdout 形式に書き換える |
まとめ
Google Antigravity 2.0 は、VS Code 派生 IDE だった 1.0 から、共有 agent harness を中核に据えた desktop app + CLI(agy)+ SDK(google.antigravity)の三層プラットフォームへ進化しました。Agent Manager による並列 subagent オーケストレーション・Artifacts による検証・hooks による安全ゲートが、エージェントを「逐次アシスタント」から「並列で自律稼働する開発基盤」へ押し上げています。
本記事の構造図・データモデル・コード例は、公式ドキュメントと SDK の型定義を一次情報として照合しています。モデル ID や料金プラン名は世代更新で変わるため、導入時は公式の最新ドキュメントで確認してください。
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参考リンク
- 公式(一次情報)
- Welcome to Google Antigravity(docs/home)
- Antigravity 2.0 Overview(docs/overview)
- Core Surfaces(docs/ide-overview)
- Artifacts(docs/artifacts)
- Task List(docs/task-list)
- Walkthrough(docs/walkthrough)
- CLI features(docs/cli-features)
- Hooks(docs/hooks)
- Antigravity ダウンロード
- Antigravity SDK Python(GitHub)
- google-antigravity(PyPI)
- Build with Google Antigravity(Google Developers Blog)
- Transitioning Gemini CLI to Antigravity CLI(Google Developers Blog)
- 構築・利用
- 運用・解説
- 報道(I/O 2026 発表)
- Google launches Antigravity 2.0(TechCrunch)
- Google Antigravity 2.0 becoming full agentic development suite(9to5Google)
- Antigravity turns into a full agentic development platform(The Next Web)
- Google Launches Antigravity 2.0 at I/O 2026(MarkTechPost)
- Google Antigravity 2.0: The Full Developer Guide(Analytics Vidhya)